救えなかった患者さんの存在が、未解決の問いを追い続ける原動力
雁金 大樹
Karigane Daiki- 血液
研究者を目指したきっかけ
Chanceいつ頃、研究者を⽬指そうと思いましたか︖
臨床医として働いた後です。
研究者を目指すキッカケは何でしたか?
医学部生から研修医にかけては、研究に強い関心があったわけではなく、臨床医としてのキャリアを思い描いていました。
しかし、血液内科医として診療に携わる中で、標準治療を尽くしてもなお救えない患者さんが少なくない現実に直面しました。
そのとき、「今ある治療を使うだけでは限界がある」と痛感し、新たな治療法や疾患理解そのものを生み出す必要性を強く認識しました。
これが、研究者を志したきっかけです。
これまでのキャリアで最も印象に残っているエピソード
留学中、免疫不全マウスに原因不明の下痢症が広がり、大学全体で動物実験に制限が課されるなど、大きな影響が生じました。
私の研究は免疫不全マウスを基盤としていたため、研究の継続が困難となり、深刻な支障をきたしました。
大学側にとっても前例のない事態への対応に苦慮する中、異国という環境や制度・文化の違いも相まって、問題解決には多大なストレスと労力を要しました。
学生時代の経験
School days⾼校時代について
高校時代はオーケストラ部での活動を中心とした生活を送っていました。
当初は明確な将来の目標を持っていたわけではありませんが、理系科目に面白さを感じるようになり、2年次から医学部を志すようになりました。
それ以降は、部活動と並行して学業にも力を入れて取り組みました。
大学/大学院時代について
医学生の時に細胞培養に少し触れる機会はありましたが、それ以外は特に研究活動をしてきませんでした。そのため、大学院で突然ノックアウトマウスのプロジェクトを任されたときは、正直、やり切れるか不安でした。
一方で、臨床は厳格なルールの下で進めるものですが、研究では自由な発想が歓迎されるということを知り、臨床と研究では考え方が大きく異なることを学びました。
指導教官からは、アイディアを生み出し、スピード感を持って実行していくことの大切さを学びました。
留学時代について
留学時代は、患者検体や臍帯血などのヒト初代細胞のみを使って研究をしていました。
お金も時間も根気も必要なサイエンスです。
マウスや細胞株を用いた方がインパクトを出しやすいのではないかと思う場面もありましたが、「これが自分たちのサイエンスであり、臨床に最も意味のあるサイエンスだ」という考えを貫くボスの姿勢に感銘を受けました。
中⾼⽣の頃の⾃分に、今伝えたいことは︖
Messageもう少し英語を頑張り、早いうちから海外に目を向けても良かったかなと思っています。
研究に向き合う姿勢
Attitude研究テーマや『問い』は、どのようにして見つけるのですか?
私の場合は、臨床カンファレンスで症例発表を聞いているときに思いつくことが多いです。
あとは、さまざまな研究者と雑談しているときに思いつくこともあります。
実験が思うような結果にならなかったり、仮説どおりにならなかったりした場合、どのように乗り越えますか?
基本的に研究は失敗するものだと考えているので、あまり落ち込むことはありません。
簡単に成功するものであれば、すでに誰かが見つけているはずだと思うからです。
また、複数のプロジェクトを同時に進めておくことも重要だと思います。一方がうまくいかなくても、もう一方に集中できるからです。
研究者になって良かったことは何ですか?
新しいことを発見したときの喜びを味わえることです。研究では、何歳になっても未知のものに触れ、新しい問いに向き合うことができます。日々が単調にならず、常に学び続けられることは、研究者ならではの魅力だと思います。
研究者の仕事と日常
Life休みの日は何をしていますか?
子どもと遊んでいます。