若江 亨祥
Wakae Kousho-
専門分野
- ウイルス学
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研究キーワード
- 発癌ウイルス, 遺伝子改変酵素群, 内在性レトロウイルス, 肝障害
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キーテクノロジー
- RAISING 法(ウイルス挿入部位解析)、次世代シーケンス、マウス肝障害モデル
研究テーマについて
Themeご自身の研究を⼀⾔で表すと?
内在性レトロウイルスが肝障害に与える影響の解明
具体的に何を明らかにしようとしていますか?
私は、体内に潜む内在性レトロウイルスの活性化が肝障害や肝疾患の病態形成にどのように関与するのかを研究しています。宿主防御因子APOBECとウイルス活性化との関係に着目し、マウス肝障害モデルとヒト肝組織のデータ解析を組み合わせながら、その分子機序の解明を目指しています。これらの研究を通じて、従来とは異なる視点から肝疾患を理解し、新たな診断・治療戦略につなげたいと考えています。
なぜこの研究が重要なのですか?
原因不明のまま増加しつつある NBNC(Non-B Non-C)肝炎では、その病態を規定する分子機序が十分に解明されていません。私は、宿主防御因子APOBECと内在性レトロウイルスの相互作用に着目し、酸化ストレス環境下での内在性レトロウイルス活性化が、肝疾患の病態にどのように関与するのかを研究しています。内在性レトロウイルスの役割を肝疾患研究の視点から検証する試みはまだ少なく、従来のウイルス性肝炎研究では見落とされてきた病態メカニズムの理解につながる可能性があります。得られた知見から、NBNC肝炎を含む肝疾患の新たな病態理解や、バイオマーカー・治療標的の探索に役立てられればと考えています。
研究への想いと挑戦
Thoughts研究の中で最もワクワクする瞬間は︖
今回の研究のきっかけは、B型肝炎の仕組みを調べていたとき、APOBECという分子を欠いたマウスで、「なぜか肝炎が起きる」という予想外の結果が出たことでした。最初は戸惑いましたが、実験を重ねるうちに、「体の中に眠っている昔のウイルスが動き出しているのではないか」と考えるようになりました。
教科書や論文では説明されていない現象に自分で気づけた瞬間は、「研究をしていてよかった」と心から感じる、とてもワクワクする体験でした。
あなたの研究の独⾃性は何ですか︖
これまで十分に解明されてこなかった肝疾患の病態を、体内に存在する内在性レトロウイルスという新しい視点から捉えている点が、本研究の独自性です。自身の強みであるAPOBEC研究の経験を活かし、ウイルス学と肝臓病学を横断的な視点で研究している点も本研究の特徴です。
共同研究の希望について教えてください
ウイルス遺伝子発現も含めたRNA-seq解析、さらにはシングルセル解析や空間トランスクリプトーム解析を通じて、内在性レトロウイルス活性化が肝細胞の代謝状態や肝組織内の微小環境にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしたいと考えています。また、マウスモデルに加えてヒト肝臓組織検体の解析にも取り組み、将来的には動物実験、ヒト検体解析、診療データを統合した研究へ発展させたいと考えています。
今後の研究の展望・夢
Dream肝臓病学とウイルス学を結ぶ新たな視点を提案したい
内在性レトロウイルスが肝疾患の病態形成にどのような役割を果たすのかを明らかにし、肝臓病学とウイルス学を結ぶ新たな視点を提案したいと考えています。これまで別々に発展してきた両分野を融合することで、肝疾患の理解をより深め、病態分類やバイオマーカー探索、新規治療標的の発見につながる研究へ発展させたいと考えています。
研究者の道を歩んできて、⼀番⼤切だと思うことは?
研究者として最も大切なのは、失敗を前向きに捉え、自分をアップデートし続ける姿勢だと感じています。
実験が思いどおりにいかないときこそ、「なぜうまくいかなかったのか」を丁寧に考えることで、新しい視点や手法にたどり着くことがあります。日々の試行錯誤の中で、昨日の自分より一歩でも前進することを意識し、立ち止まらずに問い続けることが、研究者として成長し続けるために最も重要だと思っています。
研究者になりたいという夢を叶えるために、一番大事なことはなんですか?
自分が思い描いた目標に向かって、「今できること」を一つずつ積み重ねていくことだと思います。
今は本やインターネットを通じて多くの情報に触れられる時代で、調べて学ぶ力、さらにはそれに基づいて行動を起こす力が大きな武器になります。また、研究は決して一人では進みません。助けてくれる先生や仲間への感謝を忘れず、人とのつながりを大切にしてください。