“おもしろい”と思った気持ちを大切にし続けることが、研究者としての原動力
北本 宗子
Kitamoto Hiroko- 感染症
- 免疫
研究者を目指したきっかけ
Chanceいつ頃、研究者を⽬指そうと思いましたか︖
大学院生
研究者を目指すキッカケは何でしたか?
小さな頃から、僧侶である父の家(寺院)の環境の中で死生観を考える機会が多くあり、幼い頃から「人は死んだらどうなるの?」とよく両親に質問していたそうです。
そうして、理科や生物の授業で人体のしくみについて習っていくうちに、もっと深く生命の成り立ちや病態形成についてもっと深く理解したいと思うようになりました。
結局、今もその興味を解き明かしている最中で、気づくと研究者という職業に就いていました。
これまでのキャリアで最も印象に残っているエピソード
海外留学時における出産経験です。
研究開始当初はPIの鎌田先生や共同研究者、スタッフの方々に色々とサポートを受けながら、慣れない実験をこなしていく日々でしたが、論文の初回投稿のタイミングと予定よりだいぶ早まった出産のタイミングが重なってしまったのが大変でした。
新生児を抱きながら、論文の肝となる最後のデータを纏めたことは、今となっては良い思い出です。
また、産後3ヶ月で研究室に復帰し、育児と研究の両立生活が始まりましたが、周囲の方との人間関係を築きあげていきながら研究地盤を固めていくことが、ライフイベントに沿った研究生活を続けて行く上で重要なことだと感じました。
学生時代の経験
School days⾼校時代について
修学旅行で海外を訪れた際、これまで触れてきた人種・言語・食・文化とはまったく異なる世界が広がっており、大きな衝撃を受けました。
価値観が一変し、「自分の見ている世界はほんの一部にすぎない」と気づいた経験でした。
この体験が、未知のものに対して興味を持ち続ける姿勢につながっています。
大学院時代・留学時について
大学院やポスドク時代にがん研究に取り組んでいましたが、同じく研究者である夫の海外留学を機に研究分野を一転し腸内細菌研究の世界に飛び込みました。
ミシガン大学の鎌田信彦先生の研究室に留学し、2014年から鎌田研究室にお世話になり腸内細菌研究のご指導を頂きました。
それから今日に至るまで、様々な機能を有し多臓器疾患にも寄与している腸内細菌の研究にどっぷりと浸かっています。
今後の研究の展望・夢
Dream「忘れさられた臓器」と称される腸内細菌は、ヒトの健康および疾患に多面的な影響を及ぼすことが知られています。
近年、細菌-宿主間に形成される複雑なネットワークが徐々に解明され、その破綻が病態形成に深く関与することも示されています。
これまで細菌-宿主相互作用で培った知見を踏まえ、今後は希少疾患や小児疾患の領域へも研究を展開していきたいと考えています。
研究者になりたいという夢を叶えるために、一番大事なことはなんですか?
“好奇心”です。
研究は「なぜ?」「どのように?」を解き明かしていく連続です。
得意、不得意を意識することよりも、自分が「おもしろい」と思った気持ちを大切にし続けることが、研究者としての原動力になります。
研究に向き合う姿勢
Attitude研究を進める上で、特に重要だと考えているスキルや能力は何ですか?
研究を発展・継続していく上で、グラント獲得能力は研究者にとって必要不可欠で重要な資質となります。
グラント申請は自分の研究内容を俯瞰的に捉え、方向性を見つめ直す良い機会となりますし、研究課題を組立てていく中で新たな発想が生まれることもあります。
さらに、申請書を他のラボの先生に見てもらいながら意見交換を行なっている流れで、新たな共同研究が生まれたケースがあり、グラント申請を通して研究ネットワーク形成を確立する機会にも恵まれました。