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キャリアパス

Career path

その事実を知っているのは世界でただ1人だという、圧倒的な優越感

三原田 賢一

Miharada Kenichi
コラム:サムネイル画像
所属
熊本大学国際先端医学研究機構
研究テーマ
造血細胞におけるタンパク質の品質管理
専門分野
造血器腫瘍学・造血幹細胞・造血発生関連

研究者を目指したきっかけ

Chance
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いつ頃、研究者を⽬指そうと思いましたか︖

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小学生

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研究者を目指すキッカケは何でしたか?

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小学校3〜4年生の頃(だったかな?)当時新聞や雑誌に掲載されていた、ボイジャー2号が撮影した惑星の写真に感動して天文学者になろうと思いました。
その後、小学校の図書館にあった「ポマト」という本を読み、遺伝子工学(今思えば人工交配による品種改良)の面白さに引き込まれました。
ですので小学校の卒業式で「研究者になる」と宣言しました。
高校生の頃にアポトーシスの面白さに惹かれ、その段階で生命科学分野に行く決意ができました。

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これまでのキャリアで最も印象に残っているエピソード

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ちょうどポスドクからPIになろうとしていた頃に胆汁酸の重要性に気づき始め、マウスで測定をしたいと考えました。
しかし分析は特殊な技術が必要なので、胆汁酸解析の専門家に長いメールを書き、研究内容の説明と「どうしても解析してほしい、でも研究費は限られている」と熱意を込めて書いたところ、「なんだかよくわからないけど面白そうだからやってやる」ということで協力いただけることに。
その後、今でもずっとお世話になっており、研究だけでなく大変よくしていただいています。あの時のメールがなければ、今の私はいません。

それから、スウェーデンで12年間研究したことです。
ポスドクとして渡り、独立して研究室を持つことができました。
生活や文化、研究の進め方など多くのことが日本とは違います。善し悪しではなく多様な考えがあるということを学ぶことができました。
私の場合はスウェーデンのライフスタイルがとても性に合ったので、研究だけでなく人生観にも大きな影響を与えました。

 

学生時代の経験

School days
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⾼校時代について

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東京都立西高校という学校で学んでいましたが、とにかく良い仲間と素晴らしい雰囲気に囲まれ、大変充実した学生生活でした。
ただ行事などに熱中したためか、大学受験では第一希望は不合格・・・その時、生物学担当の先生から「研究者になりたいなら学部はどこでもいいだろう、留年したって東大に入れるとも思えないから、だったら1年無駄にしないで入れるところに入り、とっとと学部を卒業して大学院で真剣に行き先を決めた方が良い」と、今思えばかなりぶっ飛んだ(でもまさに真実である)助言を頂きました。
あと、ちょっぴり「音大に行こうかな」と考えたこともあったのですが「音楽は趣味でもできる、研究は趣味ではできない」と言われ、それもそうだなと納得したこともあります。
とにかく大学合格の先を見据えた進路指導をしていただきました。自慢の母校です。


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大学時代について

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学部1、2年の頃はサークル活動(吹奏楽団)ばかりであまり単位を取らなかったため、生物系の研究室に配属してもらえず岩石鉱物学研究室に行きました。
花崗岩を削ったり水晶の薄片を作ったりして楽しかったのですが、「このままではまずい」と思って院試で猛勉強して造血幹細胞研究で有名な中内光教授(当時は筑波大学)の研究室に入ることができました。
中内研では先生方に加えて諸先輩方にとても熱心にご指導いただき、ここがまさに自分の研究生活のスタートでした。


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大学院時代について

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博士課程では(サボっていたわけではありませんが)なかなか結果が出ず、1年間まるで進展なし、という年もありましたが、ふとした培養技術の応用で一気にプロジェクトが進みました。
その時の培養技術でNature Biotechnology誌に論文を発表できましたが、こちらはあくまでサブで博士論文ではありませんでした。
研究は努力と結果が相関してじわじわ進むのではなくきっかけで一気に進むのだと(なのでなかなか結果が出なくても凹まない事が大事)と身を以て体験しました。

中⾼⽣の頃の⾃分に、今伝えたいことは︖

Message

どうせ他人が何を言っても向かっている道を変えるような人ではないと思いますが、今信じている方角にそのまま進めばやりたいことはできるのでそのまま頑張ってください。
ただ、お願いだから化学と数学だけはもう少し頑張ってくれ、たのむ。

研究に向き合う姿勢

Attitude
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研究テーマや『問い』は、どのようにして見つけるのですか?

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私は、最初は少し広い視点でぼやーっと考えます。純粋に「あれってなんでこうなってるんだろう」から始めます。
その訓練として、色々な人と話して、関係ない分野でも常にそういう純粋な疑問を持つようにしています。
私はよくシャワーを浴びているときにアイデアが浮かびます。研究室で考え込んでも出てこない気がします。

大きな疑問ができたら、そこから具体的なテーマに落とし込みます。
既に発表されている論文や文献を細かく調べて(世の中には多くの優秀な研究者がいるので、多くのアイデアは既に他の人に試されていることが多いです)、まだ知られていない、あるいは実現されていない点に絞り込み、どういった実験をすれば、自分の疑問に答えられるか、主張を証明できるかをデザインします。

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実験が思うような結果にならなかったり、仮説どおりにならなかったりした場合、どのように乗り越えますか?

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まず、失敗した理由を分析します。
実験の手技の問題なら、どこのステップがダメだったのか考え、そこを徹底的に修正します。
実験はうまくいっていても結果が予想と違った場合は、自分の仮説を考え直します。
仮説はあくまでも仮説なので、間違っていることも多々あります。これは結果が正しい事が前提なので、どこで問題が生じているかを切り分けることが大切です。

それでも気分的に行き詰まったら、趣味である楽器を吹いたり、お酒を飲んで寝てしまうことにしています。

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研究を進める上で、特に重要だと考えているスキルや能力は何ですか?

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実験が失敗しても落胆しないこと、論文等で提唱されたことを鵜呑みにしないこと(信用しないということではなく、自分でかみ砕く・・・その結果信じないこともありますが)、そして意味のある結果が得られたときに興奮し心底楽しめること…でしょうか。

あと「楽観的であること」ですね。

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研究者になって良かったことは何ですか?

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常に新しいことに挑戦して、まだ誰も知らないことを解明するという冒険をできることですね。
また、研究を通じて世界中の人と交流できるのも楽しいです。

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研究者として働くことの魅力は何ですか?

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どんな研究であれ、その事実を知っているのは世界でただ1人だという、圧倒的な優越感があること。
責任は伴うが、自身のやりたいことをできること。
研究のテーマやアプローチの仕方、成果発表を通じて自己表現もできること。

研究者の仕事と日常

Life
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研究者は毎日何をしているんですか?

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他の研究者が発表した論文を読んで、研究の計画を立て、実験をしてその結果をまとめたり、他の研究者と議論します。
研究の結果がある程度まとまってきたら論文を書いています。講義を行うこともあります。
しかし現実には、様々な書類を書くことがとても多いです(研究費をもらうための申請書とか報告書)。

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休みの日は何をしていますか?

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買い物をしたり楽器の練習をしたりお酒を飲んでいます。
私は研究と休みをはっきり分けたい人なので、休みはしっかり休みます。

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三原田 賢一

Miharada Kenichi
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熊本大学国際先端医学研究機構
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