三原田 賢一
Miharada Kenichi-
専門分野
- 造血器腫瘍学・造血幹細胞・造血発生関連
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研究キーワード
- 造血幹細胞, 造血発生, 血液細胞
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キーテクノロジー
- Thermal proteome, ex vivo RBC production, 細胞不死化
研究テーマについて
Themeご自身の研究を⼀⾔で表すと?
輸血のための体外赤血球生産技術開発
具体的に何を明らかにしようとしていますか?
赤血球を体外で大量生産するために、造血幹細胞が赤血球へ分化するための運命決定機構の解明と誘導制御、さらには細胞の核が放出(脱核)されて成熟した赤血球になるメカニズムを研究しています。
なぜこの研究が重要なのですか?
現在日本では高齢化が進み、献血をする人の数が減少しているために輸血用の血液が不足しています。
特に稀少血液型の患者さんの場合は、今後20〜30年後にはドナーがいなくなってしまう危険性が高まっています。
そこで、体外で大量に赤血球を生産して輸血に利用するための技術開発をしています。
細胞の不死化と遺伝子編集技術を組み合わせ、どんな血液型の赤血球でも大量に生産できることを目指しています。
研究への想いと挑戦
Thoughts研究の中で最もワクワクする瞬間は︖
それまでのデータが強力に示唆するような結果が実際に得られることも嬉しいですが、どちらかというと少し突拍子も無いアイデアを試したときに本当にその現象が見られたときは、本当にしびれますし、叫びそうになります(実際叫んでるかも)。一晩中顕微鏡を覗いていられるくらい興奮しますね。
早く発表したい、でも論文化するまでは秘密にしないといけない、というジレンマも、なんだかヒリヒリします。
教科書に書かれているような事実でも、それを覆す結果が出るとより興奮します。
あなたの研究の独⾃性は何ですか︖
遺伝子発現制御・エピゲノム制御だけではなく、タンパク質の構造変化や物理的な変化などが細胞に与える影響に着目しています。
また、代謝物による細胞間や個体間での情報のやりとりの重要性を解き明かしています。
これまでのキャリアを通して得られた成果を教えてください
造血幹細胞の制御に、これまで関連が知られていなかった肝臓由来の「胆汁酸」という成分が重要な役割をしていることを発見しました。
特に、妊娠期には母親が胆汁酸を胎児に送り込み、これが胎児造血幹細胞や他の臓器の発生を助けていることを報告しました。
この発見は、体外での造血幹細胞培養を助ける技術としても応用できますし、流産を繰り返す現象(不育症)の原因究明にもつながりますし、抗がん剤治療後の補助療法にも使えるという、多岐にわたる意義を持つ発見です。
共同研究の希望について教えてください
- Thermal proteomeを用いた白血病幹細胞の標的因子同定
- 新規培養装置の開発による赤血球生産の高効率化
- 改変赤血球を用いた細胞ツールの開発
今後の研究の展望・夢
Dream臨床の場で輸血を行うための赤血球「製造」へ
研究成果を元に、実際に臨床の場で輸血を行うための赤血球「製造」段階までいければいいと考えています。
一方で、並行して進めている基礎的な研究の結果が教科書を書き換えてくれるような、あいまいだった常識を塗り替えられるような成果として認められたら嬉しいです。
研究者の道を歩んできて、⼀番⼤切だと思うことは?
そんな大それた事を偉そうに書くのは本当に難しいですが・・・
あくまで自身のこととして言えば、1つは結果が良くても悪くても一喜一憂しないこと。良い結果は裏を取る、悪い結果は原因を考え、へこたれない。そして100回のうち1回くらいしかない成功を楽しんで満足できること。良い研究者は同じ結果を見てもその意味をよく理解し、重要なメッセージを抜き取ることに長けていると思います。
次に良い問いを作ること。私は「言われてみれば、たしかになんでなんだろうね」という疑問が大好きです。他の研究者の研究でも、そういった問いを提示している方のお話はとても面白いです。
一番大事なのはいわゆるWow momentだと思っています。研究の途中で「Wow!」と大興奮する発見を見つけられるかどうかは研究の進展に重要だし、単純にそれこそが快感です。「だから研究はやめられねぇよな」と感じますね。
最後に、良き理解者を得ること。人との出会いは宝です。良きメンター・支援者や友人の存在は研究にとって直接的にも間接的にも大きな支えになります。
研究者になりたいという夢を叶えるために、一番大事なことはなんですか?
「自分は研究者になるんだ」と思うことです。
それと、勉強と違って研究はどこを探しても答えは書いてありませんので、自分で「こうなんじゃないか」「こうだと思う」という予想をする力や想像力が大事ではないでしょうか。